Case Study
事例紹介

共に考え、共に築く、地域の多様性を学び未来へつなぐワーケーション

【企業名】株式会社リコー
【滞在期間(参加者数)】 
 1回目:2025年7月27日(日)~ 8月2日(土)(7名)
 2回目:2025年8月3日(日)~ 8月9日(土)(5名)
 3回目:2025年10月4日(日)~ 10月8日(水)(5名)
 4回目:2025年10月19日(日)~ 10月25日(土)(5名)
 5回目:2025年10月18日(土)~ 10月25日(土)(5名)
【滞在エリア】
 1回目:会津若松市
 2回目:郡山市
 3回目:白河市・鮫川村
 4回目:会津若松市
 5回目:会津若松市・南会津町・桧枝岐村

【地域交流】会津坂下町・玉川村・鮫川村・猪苗代町・桧枝岐村
 1回目:2025年7月31日(木)田部農園(会津坂下町)/桃栽培に関する農作業体験・意見交換 ※協力先:田部克弥さん
 2回目:2025年8月4日(月)Abukuma Riverside Brewery(玉川村)/クラフトビールの醸造所見学・意見交換
 ※協力先:株式会社あぶくまビール 渡辺潤さん
 3回目:2025年10月6日(月)株式会社KIPS(鮫川村)/工場見学・意見交換 ※協力先:株式会社KIPS 田中康雄さん
 4回目:2025年10月20日(月)株式会社いなびし(猪苗代町)/ヒシ収穫体験・意見交換 ※協力先:株式会社いなびし 長友海夢さん
 5回目:2025年10月22日(水)尾瀬・桧枝岐村役場(桧枝岐村)/トレッキングと意見交換 ※協力先:尾瀬日和矢巻将兵さん、桧枝岐村役場の皆さん

農作業を通じて首都圏と地域それぞれの価値を再発見

桃農家の田部さん(写真左)との農作業体験を通じて、参加者が普段扱っているデジタルとは異なる感覚や、天候や需給の変化に対応した工夫などを学び、日常業務やサービス設計等においても視野が広がる体験となりました。

大学生と連携した活動事例などを学び、首都圏と地域それぞれの価値を再発見する機会となりました。参加者からは社員やその家族にとっても実践的な学びの場として関わっていきたいという声があがっていました。

人と人がつながる玉川村、文化と歴史に出会う須賀川

クラフトビールの香りと共に玉川村の風土や魅力を届けている、あぶくまビール代表の渡辺さんから、移住して起業したエピソードや地域の方々と築いてきた協力体制についてお話を聞きました。

代表の渡辺さん(写真左)と醸造担当の和田さん(写真右)との交流を通して、協力者や仲間を募りながら事業に取組む姿勢や、信頼を得るための心構えを学ぶ機会となりました。

須賀川市民交流センター「tette」にて、市担当者から施設が果たしている役割について説明を受けました。図書館やチャレンジショップ、音楽演奏が可能なホール、さらに屋内遊び場(遊具や砂場を備えたスペース)など、多様な機能を備えた施設で子どもから大人まで幅広い世代の方々が集い、交流を深める場としてご活用していることを知りました。

tetteの2階にある円谷英二ミュージアムを見学しました。特撮の神様と呼ばれる円谷さんの歩みや作品資料、撮影技術の展示を通じ、独創的な映像表現への情熱に触れることができました。地域から世界へ発信された挑戦の姿は、次世代へ受け継がれる学びの源になると感じました。

二拠点活動で福島と首都圏をつなぐ、持続可能なものづくりや働き方

東京と福島県鮫川村を行き来しながら、家業のアパレルメーカーを継ぎ挑戦を続ける代表の田中さん(写真右)の言葉に耳を傾けました。「生産背景を変えず、売る先を変える」という発想や、拠点同士をオンラインでつないでコミュニケーションや効率化を図る工夫など、柔軟な発想に共感が広がりました。地域と都市が互いの強みを活かし合う新しいものづくりの可能性を感じる時間となりました。

廃棄布の再利用や「継創(ツギヅクリ)」の取組紹介を通して、“捨てない発想”と“つなぐ姿勢”の大切さが語られました。サステナブルや企業連携の観点から既存の製品に付加価値を生み出す考え方に、参加者は自社のサービス設計や地域連携にも通じる気づきを得た様子。「次は自分たちも関わってみたい」との声があがるなど、共創の輪が広がるきっかけとなりました。

逆転の発想で未利用資源を価値に変える挑戦

株式会社いなびし代表の長友さんは、湖の水質汚染の原因となる「ヒシ」を活用した商品づくりや環境保全に取組んでいます。AIによるパッケージデザイン、六次化商品ブランディング、海外に向けた販路開拓などの話から「考え方次第で世界に向けて発信できる」という考え方や姿勢を学びました。

猪苗代湖でのヒシ収穫体験では、大量に発生する水草の重みや水質の変化を肌で感じながら、参加者は驚きと共に環境保全への意識を高めていました。未利用資源を価値に転換した事業展開に共感と刺激が広がりました。

尾瀬の自然と人々の暮らし、自分らしさと豊かさを見つめ直す体験

尾瀬の澄んだ空気と静かな湿原を歩きながら「守られている自然」と「人が支える環境の循環」を肌で感じていました。木道を進むたびに自然と人との共生のかたちを考えるきっかけに。都会では得られない静けさの中で、「この景色を未来にも残したい」という声が自然と生まれました。

尾瀬のガイドとして活動する矢巻さんの案内で、観光業の持続や自然を守る工夫を学びました。「守ることと活かすことを両立している姿勢が印象的でした」と語る参加者。地域で暮らし産業を支える考え方に触れ、企業としての関わり方を見つめ直す機会になりました。

トレッキング後、ガイドの矢巻さん(写真中央)との集合写真には、達成感と笑顔があふれました。「自然の中で頭がリセットされた」「新しいアイデアが浮かんだ」と話し、ワーケーションという形で自然の中に身を置くことの価値を実感しました。地域ガイドとの出会いを通じて、「仕事を通して地域に貢献するヒント」を見つけた時間でもありました。

檜枝岐村役場で若手職員との意見交換を行いました。対話では、「暮らしの豊かさ」や「地域にある小さな幸せ」に気づかされる声が多く聞かれました。「仕事も生活も、もう少しゆるやかでいいのかもしれない」そんな言葉に、参加者の共感が広がります。企業と地域が交わるこの時間は、新しい働き方や関係づくりのヒントを育てる場になりました。

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