Case Study
事例紹介

5つの地域交流から学び合う、持続可能な社会への一歩

【企業名】日本電気株式会社
「2024年2月に福島県とNECが包括連携協定を締結したことをきっかけに、2025年9月から11月にかけてNECグループ社員34名が福島県でのワーケーションに参加し、期間中に5つの地域交流イベントを実施しました」
【滞在期間(参加者数)】 
 1回目:2025年9月2日(火)~ 9月6日(土)(18名)
 2回目:2025年9月11日(木)~ 9月14日(日)(10名)
 3回目:2025年11月19日(水)~ 11月23日(日)(6名)
【滞在エリア】
 1回目:いわき市/2回目:会津若松市/3回目:いわき市

【地域交流】いわき市・西会津町・会津若松市・双葉町
<1回目:2025年9月6日(土)>
株式会社起点 (いわき市)
/事業取組紹介・糸紡ぎワークショップ・意見交換 ※協力先:株式会社起点 代表 酒井さん

<2回目:2025年9月12日(金)・2025年9月13日(土)>
やまあみ鞄製作所(西会津町)
/店舗や工房の見学・会津産猪革を使ったワークショップ・意見交換 ※協力先:やまあみ鞄製作所 代表 片岡 美奈さん
暮らしの体験宿ひととき (西会津町)
/事業取組紹介・農作業体験(耕作放棄地の畑の開墾作業) ※協力先:暮らしの体験宿ひととき 代表 佐々木 祐子さん
SHARE BASE Aizu (会津若松市)
/事業取組紹介・意見交換 ※協力先:株式会社SATORU(SHARE BASE Aizu) 代表 橋本 浩寿さん

<3回目:2025年11月20日(木)>
震災遺構請戸小学校(双葉郡浪江町)/視察
東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉郡双葉町)/視察
浅野撚糸フタバスーパーゼロミル(双葉郡双葉町)/事業取組紹介・工場視察

震災から生まれた挑戦に出会い、協働の糸を紡ぐ

震災後に綿花の栽培から加工まで一貫体制を築き、近年は廃校を地域資源として再生してきた株式会社起点代表 酒井さん(写真一列目中央)。参加者はその挑戦に触れ、地域の価値とものづくりに込められた想いを実感していました。

綿花の比較説明を受ける場面では、参加者が意見を交わしながら理解を深めていました。素材を知る学びが価値観を共有するきっかけとなり、今後の協働へつながる期待が高まっていました。

綿を糸に紡ぐワークショップで、参加者は作業に真剣に向き合いました。「手間と想いが込められている」との声も多く、手仕事の尊さやものづくりの背景を改めて感じる時間となりました。

体験後の廃校前での写真には、地域の挑戦に寄り添い、「地域と歩む」という想いを胸にした参加者の笑顔が並んでいました。異なる視点が重なり、一体感が生まれた瞬間が写し出されています。

革に触れて感じる、命が循環するものづくり

害獣として駆除されてしまった猪の革を活かしたものづくりに取組む、片岡さんからお話を伺いました。「捨てられてしまう素材に新たな命を吹き込む」という言葉に、参加者は強く共感していました。地域の資源を大切にしながら、課題を価値に変える姿勢に多くの気づきを得る時間となりました。

猪革を使ったキーホルダーづくりでは、革についた傷や皺から命の重みを感じ、「思ったより柔らかく、生きていた証を感じた」「一つひとつに違いがあって魅力的」との声もあり、ものづくりの奥深さとそこに込められた物語を実感する体験となりました。今後はプロボノ活動等の連携が期待されています。

地域に根ざした挑戦から学ぶ、持続可能なまちづくり

暮らしの体験宿ひとときでは、宿泊と農業等の学びプログラムを組み合わせた体験を提供しています。自然や空き家を有効に活用しながら地域と来訪者をつなぐ活動に、参加者からは「地域の魅力を発信しながら課題解決にもつながっている」「地域づくりに関わる意欲が高まった」といった声が寄せられました。

佐々木さん夫妻(写真左から3,4人目)が地域の人から譲り受けた耕作放棄地を耕し、畑として活用するための開墾作業を行いました。佐々木さんが西会津町に移住して地域の人々とコミュニケーションをとりながら地域活性に取組む姿から、心が通った人間関係や対話の温かみを感じました。

人とデジタルがつなぐ、会津若松の新しい可能性

シェア施設「SHARE BASE Aizu」を拠点に、会津若松市中心部・神明通りの再生に挑む取組が紹介されました。民間が主体となり、地域の経済循環を生み出そうとする姿に、参加者からは「地域の人と連携しながら持続可能なまちづくりを進めている点に刺激を受けた」との声が寄せられました。

意見交換では、デジタル発信に加えて「リアルな交流の重要性」にも共感が広がりました。参加者は、地域課題に挑む現場を肌で感じ、民間主体による持続可能なモデルづくりの意義を再認識。会津若松を全国のモデルケースへと育てていきたいという思いを深めました。

防災・BCP・イノベーション〜震災の教訓から学ぶ〜

東日本大震災を未来へ伝える請戸小学校を視察。教室に残る震災の跡を前に、参加者は日々の防災意識の大切さを感じていました。静かな校舎に立つひとときが、震災の教訓を伝える責任の重みが胸に響いていく時間となりました。

東日本大震災・原子力災害伝承館では、事故の経緯や避難の実態、当時の対応状況の裏側を学び、ITや自社のソリューションを活かしたBCPの重要性を再認識。真剣にメモを取る参加者の姿が印象的でした。

浅野撚糸株式会社の工場見学では、独自技術が生まれたイノベーションの背景や挑戦を支える組織文化を聞き、参加者は自社サービスや部署内のコミュニケーションを見直す視点を得ていました。

視察後、参加者は感想や学びを語り合い視点を深めていました。浜通りを定期的に訪れ後輩へ伝えたいとの声も上がり、気づきが組織の力として受け継がれていく期待が感じられました。

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