首都圏人材と地域がつながる ― 課題解決に向けた連携のかたち

【企業名】株式会社ファングリー
【滞在期間】2025年8月8日(金)~ 9月12日(金)
【滞在エリア】福島市
体験者の黒澤さんは、福島市の事業者とプロボノ活動で交流があったことをきっかけに同市へ滞在し、マーケティングの視点から地域活性化を探るため、意見交換や交流を重ねました。会津や中通りでの地域交流を通じて、地域ごとの課題や実情を理解し、専門知識を活かした課題解決や活性化に貢献する滞在となりました。
長期滞在するからこそ、地域の事業者と対面でコミュニケーションをとる機会が増え、観光では得られない深い情報や、人とのつながりを築くことができました。
【地域交流】会津坂下町・郡山市
1回目:2025年8月19日(火)UPICO(アピコ) 力武彩花さん、柾人さん(会津坂下町)
2回目:2025年8月20日(水)株式会社クノウ 代表 久能雄三さん(郡山市)
地域の農産物を活かす挑戦と世代を超えたつながり

地域のリンゴを使ったアップルパイの製造と販売を手がけるUPICOの力武さんと意見交換をしました。力武さんの活動拠点がある地区のリンゴは品質に優れる一方で知名度に関しては伸びしろがあり、黒澤さんの専門分野であるマーケティングやブランディングの知見を活かした、現状分析や付加価値のつくり方について話題が広がりました。

力武さんは地域の農業法人や事業者と連携し、農産物の販路拡大にも挑戦しています。力武さん手がけた商品を扱う老舗温泉では、若い移住者が一角をカフェとして活用する様子を見学しました。世代を超えて住民が協力し地域活性に取り組む姿勢を実感しました。
地域課題の解決を目指す、首都圏人材と福島の連携のかたち

福島県内で人材マッチングや地域資源を活用したプロジェクト支援を行う株式会社クノウの久能さんと、企業のプロボノ活動や専門人材による地域課題の解決について意見交換を行いました。黒澤さんが提案する「首都圏のマーケッターを地域に呼び込み、現地でフィールドワーク的に実践する構想」は、久能さんの事業領域とも親和性が高く、共同プログラムとして発展する可能性が示されました。

議論では、地域事業者の直感に基づく取り組みのように、アイデアが当たることはあるものの、継続が難しいといった地方ならではの課題が共有されました。黒澤さんは、首都圏のマーケッターが地方でゼロから取り組むことで新しい価値を生み、視野を広げるきっかけになると話し、長期滞在や制度も活用しながら交流を深めたいと、福島との継続的な関わりを前向きに考えていました。